「決算変更届」の工事経歴書の書き方の注意点
兵庫県姫路市の行政書士の秋田です。
今日は全国的に雪となり、寒い一日でしたね。
暖かくして過ごされていますか?
さて、確定申告の時期も近づいて参りましたので、建設業の業者様はその後の流れとして、決算変更届のご準備も必要です。
ご自身で準備をされる方もいらっしゃると思いますが、今回は、工事経歴書の書き方について実務上の注意点をまとめたいと思います。
建設業許可を取得している事業者様は、毎事業年度終了後に決算変更届(場所によっては事業年度終了届)を提出する必要があります。その中でも、特に迷われるのが「工事経歴書の書き方」です。
「毎年出しているから大丈夫だと思っていたけれど何を書けばいいの?」「前任者の書類をそのまま真似しているけれど、これでいいか見てもらえる?」「何を準備すればいいのかな?」
分からないまま進めていると内容によっては指摘や修正を求められることがあります。
工事経歴書とはどんな書類?
工事経歴書は、その事業年度中に完成した工事の実績を、業種ごとに記載する書類です。
許可を受けている建設業の業種について、この1年間にどのような工事を行ってきたかを行政に示す役割があります。
金額の大小よりも、
- 実際に工事を行っているか
- 許可業種と内容が合っているか
が確認される点が重要です。
記載する工事の範囲に注意
工事経歴書に記載するのは、当該事業年度に完成した工事です。よくある間違いとして、
- 契約日基準で記載してしまう
- 未完成工事を含めてしまう
といったケースもあります。
完成日が基準となるため、年度をまたいでいる工事については、完成年度の工事経歴書に記載する必要があります。
記載件数は多ければよいわけではない
工事経歴書には、元請工事・下請工事を区分して記載します。
すべての工事を漏れなく書かなければならない、というわけではありません。金額の大きい工事、元請け工事、業種内容が分かりやすい工事を中心に記載するのが一般的です。
特に件数が多い場合、代表的な工事を抜粋して記載しても差し支えありません。
工事内容の書き方は具体的に
こちらでは、普通建設業の経営事項審査を受審されない場合についてまとめますね。経営事項審査を受審される場合は、また書き方に特別な決まりがあります。
1 工事内容は、業種別に1枚記載します。どの工事がどの業種として行われたかをしっかり分けましょう。
2 注文者が誰かを記載します。このとき個人名称は、アルファベットの頭文字だけとします。個人情報に該当するからと数年前から変わったところです。
3 元請けか、下請けか しっかりかき分けます。
元請けとは、発注者である注文者から直接仕事を請け負った場合をさします。そして、下請けとは、その請け負った人(会社)から仕事を請け負った場合をさします。
注文者ー→元請けー→下請けー→下請け(二次)という流れになります。
4 工事名称 これが一番メインだと思いますが、工事名称によってどの工事で合ったかが分かるように端的に分かりやすくまとめ、かつ、業種に該当する工事であることが必要です。
5 工事現場の場所は、都道府県と市町村まで具体的に記入します。
6 配置技術者
担当者の氏名を記載します。主任技術者か監理技術者かに「レ」を入れます。
専任技術者は配置技術者になれない?
ここは、よくある間違いですが、専任技術者は営業所での常勤性が必要ですので、原則として専任技術者は配置技術者として工事現場に出られません。もっとも、「一人親方」や「一人しか専任技術者がいない会社」はこの要件を満たすことができなため、以下の要件を満たす場合は、例外として認められています。
・専任技術者の常勤する営業所で請負契約が締結された建設工事であること
・工事現場と営業所が近いこと
・営業所と現場で常時連絡を取れる体制にあること
7 請負代金は税抜き、税込み、どちらでも構いません。
ただし、経営事項審査を受審される方は必ず、税抜きになりますので、将来的に受けられたい場合は、税抜きにされていると良いと思います。
8 工期は着工日と完成日を記載します。これが会計年度内に入っているのが原則です。
9 合計額は、業種ごとの合計額を差し、元請け合計額も出します。
10 この各業種ごとの合計が、1年間の損益計算書の売上高(完成工事高)と一致します。
もちろん、許可を取得していない工事を請け負われることもあると思います。
その場合は、工事名称などは記載しませんが、「その他」として、金額は工事3年施行金額の中に計上します。
業種ごとに分けて作成すること
工事経歴書は、許可を受けている業種ごとに作成します。複数業種の許可を持っていらっしゃる場合は、
- 建築一式
- 内装仕上
- 電気工事
などを1枚にまとめてしまうのはNGです。
業種ごとに分けて作成し、それぞれの業種に対応する工事のみを記載する必要があります。
工事実績がない場合の対応
当該年度に該当業種の工事がなかった場合でも、工事経歴書の提出は必要です。
この場合は、「該当なし」空欄ではなく必要事項のみ記載といった形で対応します。
実績がないからといって、書類自体を提出しないのは誤りです。
工事実績なしが続くと許可がなくなるのではないかとご心配になられるかもしれませんが、この場合も、一言記載することで、不安を回避できます。
よくある実務上のミス
実際のご相談では、次のような場合もたまに見られます。
- 許可業種と工事内容が合っていない
- 金額の合計と財務諸表が一致していない
特に、財務諸表との整合性は確認されますので確認は必須です。
ご自身での作成に不安がある場合や、「この書き方で問題ないか確認したい」という段階でも、
ご相談くださいね。
建設業許可や決算変更届、経営事項審査については、個別の状況によって必要な対応が変わることが少なくありません。
姫路を中心に建設業専門でサポートしている行政書士アクア法務事務所では、事前確認から申請まで丁寧に対応しています。
ご自身のケースで該当するか不安な場合は、お気軽にご相談ください。
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