【R8.7月改正】何がかわった?経営事項審査。



おはようございます。

兵庫県姫路市の行政書士の秋田です。

ご無沙汰しています。
皆さま、お変わりございませんか?
梅雨が明けたと思ったら、あっという間に夏モード全開。

8月も暑いですね。

私の7月は、他府県での建設業の新規許可の取得準備や、各種変更届、経営事項審査の準備などであっというまに過ぎ去りました。
今は、山梨県でのお仕事にも取り掛かっています。

まる
まる

皆さま。
夏をどのように過ごされていますか?
今年は、早起き、アイス、クーラーが三種の神器です。


さて、今回は、7月から変更になった経営事項審査の改正点をまとめたいと思います。


令和8年(2026年)7月1日から、経営事項審査の審査項目・基準が改正されています。

今回の改正では、「その他の審査項目(社会性等)」を中心に見直しが行われています。

特に、

  • 社会保険加入に関する評価項目の削除
  • 「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の評価項目新設
  • 経審で評価される建設機械の追加

などが大きな変更点です。

経審を受けている建設会社の皆様は、自社の評価にどのような影響があるのか確認しておきましょう。

1.社会保険加入に関する評価項目が削除されました

今回の改正で、経審の「その他の審査項目(社会性等)」から、

  • 雇用保険加入の有無
  • 健康保険加入の有無
  • 厚生年金保険加入の有無

が審査項目から削除されました。

これまで社会保険等への加入状況は経審の評価項目の一つでしたが、令和8年7月1日以降の経審では、この項目による加点・減点は行われません。

ただし、これは「社会保険への加入が不要になった」という意味ではありません。

社会保険への加入は、建設業許可や建設業法上の適正な事業運営にも関係する重要な事項です。

今回の改正は、あくまで「経営事項審査における評価項目から削除された」というものです。

2.「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」が新設されました


こちらは、前回の記事でご紹介しましたが、今回の改正では、新たに

「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の宣言の有無が経審の評価項目として追加されました。

この項目は、5点の加点となります。
建設業では、技能者の処遇改善や担い手の確保・育成が重要な課題となっています。

今回の改正では、技能者を大切にする取組を行う企業を経審でも評価する仕組みが設けられました。

加点を受けるためには?

単に社内で取組を行っているだけでは足りません。

「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」のポータルサイトにおいて、宣言企業として掲載されていることが必要です。

また、経審の審査基準日が宣言日以降であること、宣言書・誓約書を提出することなど、所定の要件を満たす必要があります。

そのため、経審での加点を検討している場合は、経審の申請直前ではなく、早めに準備しておくことが重要です。

なお、提出した誓約書の内容を実際に行っていない場合には、虚偽申請として問題となる可能性がありますので注意が必要です。

3.CCUSの就業履歴蓄積に関する配点が変更されました


今回の改正では、建設キャリアアップシステム(CCUS)等を活用した「建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況」について、配点が変更されました。

改正前と改正後では、次のようになります。

対象改正前改正後
民間工事を含むすべての建設工事15点10点
すべての公共工事10点5点
建設技能者を大切にする企業の自主宣言5点

つまり、CCUSに関する評価の配点はそれぞれ5点減少し、その一方で新たに「建設技能者を大切にする企業の自主宣言」が5点の評価項目として加わりました。

今回の改正では、CCUS関係の評価がなくなったわけではありません。

CCUS等による就業履歴の蓄積に関する評価と、技能者を大切にする企業の自主宣言による評価を、それぞれ確認する必要があります。

4.経審で評価される建設機械が増えました


建設機械の保有状況についても変更があります。

これまで経審の加点対象となる建設機械は9種類でしたが、今回の改正で、

  • 不整地運搬車
  • アスファルト・フィニッシャ

の2種類が追加され、合計11種類となりました。
対象となる建設機械を保有している会社にとっては、経審の加点につながる可能性があります。
不整地運搬車については特定自主検査、アスファルト・フィニッシャについては自動車検査によって確認されます。
なお、前回の経審で建設機械の保有台数が15台以上だった場合には、今回の追加によって総合評定値が変わらない場合があります。

5.今回の改正で「点数アップ」のチャンスはどう変わる?

今回の改正では、建設会社の取組を評価するポイントが一部入れ替わったと考えると分かりやすいかもしれません。

特に確認しておきたいのは、

① 建設技能者を大切にする企業の自主宣言で5点

② 対象となる建設機械を保有している場合の加点

③ CCUS等による就業履歴蓄積の評価

です。


一方、社会保険加入については経審の評価項目から削除されました。
そのため、今後の経審では「自社がどの項目で加点できるのか」を事前に確認しておくことが、より重要になります。

6.すでに経審を受けた会社は再審査を受けられる?


今回の改正に伴い、一定の要件を満たす会社は再審査を受けることができます。

兵庫県では、令和8年7月1日から令和8年10月28日までが再審査の受付期間です。

対象となるのは、再審査申請時点で、改正前の基準による経審結果通知書が有効期限内(審査基準日から1年7か月以内)である場合など、所定の要件を満たす会社です。

再審査は必須ではありません。

また、兵庫県では今回の改正に伴う再審査について、受付期間内であれば手数料は無料とされています。

ただし、再審査によって必ず点数が上がるとは限りません。

現在の評点や、新制度で追加される加点項目などを確認したうえで、再審査を受けるメリットがあるか判断することが大切です。

7.今回の経審改正で建設会社さまが確認しておきたいこと

今回の改正を踏まえ、経審を受ける建設会社は次の点を確認しておきましょう。

□ 「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の加点が可能か

5点の加点項目が新設されています。

今後の経審で加点を狙う場合は、制度の内容を確認し、必要な手続きを早めに行っておくことをおすすめします。

□ CCUSに関する評価を確認する

CCUS等による就業履歴の蓄積に関する評価は残っていますが、今回の改正で配点が変更されています。

自社がどの評価区分に該当するのかを確認しておきましょう。

□ 保有している建設機械を確認する

不整地運搬車、アスファルト・フィニッシャが新たに評価対象となりました。

該当する機械を保有している場合は、経審での評価対象となるか確認してみましょう。

□ 現在の経審結果と比較する

すでに経審を受けている会社は、現在の評点と改正後の制度での評点を比較してみることをおすすめします。

特に、次回の入札参加資格申請などで必要となる評点に変更がないか確認しておくと安心です。

まとめ

令和8年7月1日からの経営事項審査の改正では、社会保険加入に関する評価項目が削除される一方、

「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」5点の新設

建設機械の評価対象の拡大

CCUS等による就業履歴蓄積に関する配点の変更

などが行われました。



今回の改正は、単純に「点数が上がる・下がる」というだけではなく、これまでの会社の取組が新しい経審制度でどのように評価されるのかを確認することが重要です。

経審では、決算内容や技術職員の状況だけでなく、社会性等の項目についても、事前の準備によって評価が変わる場合があります。

「自社の場合、どの項目で加点できるのか分からない」

「次回の経審で評点がどう変わるのか確認したい」

「入札に必要な評点を確保できるか事前にシミュレーションしたい」

という場合は、早めに現在の経審結果を確認しておくことをおすすめします。


8月も暑さにまけず、乗り切りましょう。