一人親方でも建設業許可は取れる?

~個人事業主が知っておくべきポイントを行政書士が解説~


兵庫県姫路市の行政書士の秋田です。

「一人親方でも建設業許可を取れるの?」

これは建設業を営む個人事業主の方から非常に多く聞かれる質問です。
結論から言うと、一人親方でも建設業許可は取得可能ですが、一定の要件を満たす必要があります。
個人事業主が建設業許可を取得するための条件や注意点、よくある誤解について、実務の経験から解説します。


一人親方とは、一般的に従業員を雇わず、個人で建設工事を行う事業主のことをいいます。

会社組織ではないため、法人格は持たず、個人事業として建設業を営んでいます。
多くの場合、元請から直接仕事を受注したり、下請として工事に参加したりしています。

一人親方であっても、受注金額が一定以上の場合や、元請業者から建設業許可の有無を求められる場合には、建設業許可の取得が必要になります。


建設業許可は、建設業法で次の条件に該当する場合に必要です。

  1. 請負金額が500万円(税込)を超える工事を行う場合
  2. 建設業法で定められた特定の工事を継続して行う場合

つまり、一人親方であっても、500万円を超える工事を請け負う場合や、元請から許可業者であることを求められる場合は、許可を取得する必要があります。

500万円未満の小規模工事であれば、許可は不要ですが、将来的な工事規模や元請との契約条件を見越して許可を取得するケースが多いのも実情です。


一人親方が建設業許可を取得する場合、主に次の要件があります。

(1)専任技術者

建設業許可では、営業所ごとに専任技術者を置くことが必要です。
一人親方の場合、当然自身が専任技術者となります。

専任技術者になるには、次のいずれかを満たす必要があります。

  • 国家資格を取得している場合(例:二級建築士、施工管理技士)
  • 実務経験で一定年数(原則10年、学歴により短縮可)を満たす場合

ここでよくある誤解が「経験だけで大丈夫」と思われるケースです。
実務経験を証明できる書類(工事請負契約書や工事報告書など)が必須で、証明できないと不許可になります。


(2)財産要件

一人親方であっても、建設業を継続して行うための財産的基礎があることを示す必要があります。
財産要件としては、主に次の点が見られます。

  • 純資産額が500万円以上(業種によって変動)
  • 税金や社会保険の滞納がないこと

個人事業の場合は、確定申告書や残高証明書などで資金の裏付けを行います。



(3)営業所

建設業許可を取得するには、事務所(営業所)を設ける必要があります。
一人親方であっても、自宅兼事務所であれば可能です。ただし、自宅を営業所として使用する場合も、届出や所在地確認が必要です。

  • 郵便物や契約書の受け取りが可能であること
  • 常時営業可能であること

これらを満たす必要があります。

証明するためには、土地建物の登記簿謄本または賃貸借契約書、外観や内観の写真が必要です。


(4)社会保険の加入要件

個人事業の場合、従業員を雇っていなければ原則として社会保険加入義務はありません。
しかし、元請からの指示や将来的に従業員を雇う場合には、適切な社会保険手続きが必要になることがあります。
特に請負契約や入札条件で社会保険加入が求められる場合は、注意が必要です。


一人親方が建設業許可を取る場合、次の点に注意してください。

① 証明書類をきちんと揃えること

専任技術者や実務経験、財産要件の証明書類が不十分だと、必ず不許可になります。
過去の工事契約書、請求書、確定申告書、通帳など、すぐ提出できる状態にしておくことが重要です。

② 将来的な従業員の増員を考慮する

将来従業員を雇う予定がある場合、許可申請時点で今後の専任技術者の配置や財務基盤を整理しておくとスムーズです。

③ 元請との契約条件を確認する

元請業者によっては、「許可業者であること」を契約条件として求める場合があります。
500万円以下の工事でも、契約上の理由で許可が必要になることがあるため注意してください。

④ 申請のタイミングを計画する

一人親方の場合、書類準備や経験証明の整理に時間がかかることがあります。
早めに準備を始めることが成功の秘訣です。


5. 一人親方が許可を取得するメリットは?

一人親方で建設業許可を取得することで、次のようなメリットがあります。

  • 元請からの直接受注が可能になる
  • 500万円以上の工事を請負えるようになる
  • 将来的に法人化や従業員雇用の際に信用力が増す
  • 入札や公共工事への参加など選択肢の幅が広がる

特に、将来的な事業拡大を考えている場合は、早めに許可を取得しておくことが有効です。


一人親方であっても、建設業許可は取得可能です。ただし、次の要件を満たす必要があります。

  1. 専任技術者(資格または実務経験)の要件
  2. 財産要件(安定した資産・収支・税金滞納なし)
  3. 営業所の設置
  4. 社会保険など、契約上の必要条件の確認

ポイントは、事前の準備と証明書類の整備です。
自分の経験や財務状況で許可要件を満たしているか不安な場合は、ご相談くださいませ。

一人親方としても、許可を取得することで事業の幅が広がり、将来的な信頼性や元請からの受注も増える可能性があります。建設業許可は、準備と確認が成功の鍵です。

お疲れ様です。
分からないところがあればお電話くださいね。

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