法人・個人事業主で違う?更新時の注意点
兵庫県姫路市の行政書士の秋田です。
建設業許可の更新時期が近づくと、「法人と個人事業主でどっちが手続き楽?」{更新手続きに違いってあるの?」「自分のケースは問題なく更新できる?」といったご相談をいただきます。
結論から言うと、建設業許可の更新手続き自体は法人・個人事業主で大きく変わりません。
しかし、更新時に確認されるポイントや、注意すべき点は、法人か個人事業主かによって異なります。
実際の現場では、「法人だから大丈夫だと思っていた」「個人事業主だから簡単にだと思っていた」と直前になって問題が発覚するケースもあります。
許可更新で押さえておきたい基本事項
建設業許可の有効期間は5年間です。
更新申請は、許可の有効期限が切れる3カ月前から申請ができます。
この期限を1日でも過ぎてしまうと、更新はできず、新規申請からやり直しとなります。
その間は建設業許可を要する工事を請け負うことができなくなるため、事業に大きな影響が出ます。
法人が特に注意すべきポイント
役員変更・代表者変更の届出漏れ
法人の場合、更新時に最も多いトラブルが役員変更や代表者変更の届出漏れです。
過去5年間の間に、
- 役員が退任・就任している
- 代表取締役が交代している
といった場合、変更届を期限内に提出していないと更新時に指摘されることがあります。
役員の方の氏名が変わっていた場合、登記手続きの変更まで必要な場合は時間を要します。
さらに本籍に変更があった場合は、本籍地で取得する身分証明書を取得するのに時間がかかったりもします。
さらに、特に注意が必要なのが、経営業務管理責任者(経管)に関係する役員変更です。
経管として届出ていた役員が退任している場合、要件を満たさなくなっている可能性もあります。
「登記は変更しているから大丈夫」と思われがちですが、建設業許可は別途届出が必要です。
決算変更届と財務状況の確認
法人の更新では、毎年の決算変更届が適切に提出されているかが必ず確認されます。
決算変更届を1期でも出していない場合、原則として更新申請は受理されません。
実務上は、更新直前にまとめて提出するケースもありますが、内容によっては時間がかかり、更新期限に間に合わないこともあります。
また、財務内容についても確認が行われます。
赤字決算が直ちに更新不可になるわけではありませんが、自己資本や債務超過の状況によっては、追加資料を求められることがあります。
特に特定建設業許可をお持ちの場合は、更新前に確認が必要です。
専任技術者が社員の場合の注意点
法人では、専任技術者を社員として配置しているケースが多く見られます。
この場合、更新時にチェックされるのが常勤性です。
社会保険の加入状況や、他社での勤務実態が疑われると、専任技術者として認められないことがあります。
特に、役員兼任やグループ会社との関係がある場合は注意が必要です。
個人事業主が注意すべきポイント
事業主本人の要件がすべての中心になる
個人事業主の場合、経営業務管理責任者や専任技術者を本人が兼ねているケースがほとんどです。
そのため、更新時には、実際に事業を継続しているか、常勤性が保たれているかといった点が重視されます。
体調不良や事業規模の縮小などにより、実態が不明確になっている場合、更新時に説明を求められることもあります。
専任技術者を兼ねている場合の落とし穴
個人事業主の場合、専任技術者としての実務経験を本人が証明しているケースが多いです。
更新時には、新たに実務経験を証明する必要はありませんが、過去に提出した内容と事業実態が矛盾していないかが確認されます。また、他の業務を兼業している場合、専任性が疑われることもあるため注意が必要です。
法人成りを検討している場合の注意点
更新時期が近い個人事業主の方から、「近々法人成りを予定しているが、更新はどうすればよいか」という相談もよくあります。
原則として、個人の許可と法人の許可は別物です。
更新しても法人に引き継がれることはありません。
更新前後どちらで法人成りするかによって、手続きの流れや負担が大きく変わるため、早めの検討と専門家への相談が重要です。
法人・個人共通で見落とされがちな更新時の注意点
法人・個人を問わず、次の点は特に注意が必要です。
- 決算変更届の未提出
- 変更届(商号・所在地・役員等)の出し忘れ
- 更新期限ギリギリでの準備開始
「今まで問題なかったから今回も大丈夫だろう」と思っていると、思わぬところで手続きが止まることがあります。
法人・個人、どちらが更新でトラブルになりやすい?
実務上の感覚としては、
- 法人は役員の変更関係
- 個人事業主は決算変更届わすれ
で焦るケースが多い傾向があります。
ただし、法人だから安心、個人だから簡単ということはありません。
どちらも、日頃の管理が更新時にそのまま反映されます。
まとめ
建設業許可の更新は、法人・個人事業主で確認されるポイントに違いがあります。
しかし、共通して言えるのは、早めの確認と準備が最も重要だということです。
更新期限が近づいてから慌てるのではなく、「問題なく更新できる状態か」を事前に確認しておくことで、余計なリスクを避けることができます。
不安な点がある場合は、お早めにご相談くださいね。

